THE WINERY / ワイナリーについて
Envínate / エンビナーテ
世界が震えた「4人の天才」によるニューウェーブ
「あなた自身を、ワインに浸せ」
ワイナリー名の「Envínate(エンビナーテ)」は、スペイン語の「Envinar(ワインに浸す)」と「te(あなた自身を)」を組み合わせた、彼ら独自の造語です。
「自分たちの魂をワインに浸す」「ワイン造りに没頭する」――そんな情熱と覚悟を胸に、アリカンテ地方のミゲル・エルナンデス大学で醸造学を学んだ4人の若き天才たち(ロベルト・サンタナ、アルフォンソ・トレンテ、ローラ・ラモス、ホセ・マルティネス)が立ち上げました。
エンビナーテの4人(左からローラ、ホセ、アルフォンソ、ロベルト)
なぜ彼らは「歴史を変えた」と言われるのか?
① 「脱・濃厚」の衝撃
かつて高級スペインワインといえば「樽の香りが強く、濃厚でアルコールが高い」のが常識でした。しかし彼らはそれを真っ向から否定。
「淡い色調」「アルコール度数を抑えた軽やかさ」「強烈なミネラル」というスタイルを確立し、「スペインワインは重い」という世界中の固定概念を覆しました。
② 特級畑クラスの評価を連発
ロバート・パーカー監修のワイン評価誌において、彼らのワイン(数千円〜)は、数万円〜数十万円するフランス・ブルゴーニュの特級ワインと同等の「96点〜98点」という驚異的なスコアを連発。
「安旨ワインの産地」と思われていたカナリア諸島を、「世界最高峰のファインワイン産地」へと押し上げた功績により、今や世界中のソムリエが割り当てを奪い合う入手困難なワインとなっています。
LOCATION / 産地
陸の孤島「タガナン」と
知られざる火山のテロワール
ロバで行くしかなかったブドウ畑
エンビナーテの名を一躍世界に知らしめたのが、テネリフェ島北東部の断崖絶壁にある「タガナン村(Taganan)」です。
ここはかつて、あまりの急斜面と険しい地形のため、1960年代まで車が通れる道路が存在せず、人々はロバに乗るか、海からボートで近づくしかなかった「陸の孤島」でした。
しかし、そのアクセスの悪さが幸いし、ここには数世紀もの間、誰にも邪魔されずに生き残った「野生のような古木」がそのままの姿で残されていました。
タガナン地区の畑。仕立てられていない(自然なままの)ブドウの木を支える『杖』として棒を使っており、これが過度な熱やカビの被害からブドウを守る助けとなっています。
島中に眠る「宝」を発掘する
彼らの活動はタガナンだけにとどまりません。
雲海に覆われた北部の「オロタバ・ヴァレー(Orotava)」や、標高1,000mを超える乾燥地帯「サンティアゴ・デル・テイデ」など、島の中に点在する「忘れ去られかけた偉大な畑」を次々と発掘・再生させています。
場所によって全く異なる火山の土壌と気候を、驚くほどピュアにワインへ変換させています。

大西洋を背に広がるオロタバ地域のパロ・ブランコ畑。【コルドン・トレンサード】と呼ばれる三つ編み状の仕立てが行われ、枝を絡ませて10m 以上に伸ばす独特の栽培法が見られる。
THE MAKER / 作り手と哲学
Roberto Santana / ロベルト・サンタナ
大西洋の風と、火山の土をボトルに詰める
4人のメンバーの中で、カナリア諸島プロジェクトを主導するのが、地元テネリフェ島出身のロベルト・サンタナ氏です。
彼の哲学は明確です。「それぞれの土地(テロワール)の個性を、一切の厚化粧なしで表現すること」。
化学肥料や除草剤は一切使用せず、急斜面の畑をすべて手作業で管理。
醸造においても、野生酵母のみを使用し、SO2(酸化防止剤)の添加も瓶詰め時のごく僅かに留めます。
「Vinos Atlánticos(大西洋のワイン)」
彼らが造るワインに共通するのは、圧倒的な「フレッシュさ」と「塩味」です。
海から吹き付ける貿易風を浴びたブドウは、南国とは思えないほど酸が美しく、飲んだ瞬間に大西洋の波しぶきや、火山岩の冷たさを連想させます。
それは、濃厚で重いスペインワインの常識を覆す、垂直的でエレガントな体験です。

テネリフェ島出身のロベルト・サンタナ。
THE WINES / 代表ワイン
代表的なワイン
Táganan Blanco / タガナン・ブランコ(白)
「陸の孤島が生んだ、奇跡の混植白ワイン」
断崖絶壁の畑で、複数の土着品種(マルヴァジア、リスタン・ブランコなど)が混ざって植えられている「フィールドブレンド」をそのまま表現した一本。
海風のしぶきを感じるような強烈な塩味と、野生の柑橘類を思わせるアロマ。エンビナーテの哲学が詰まった代名詞的白ワインです。

Táganan Tinto / タガナン・ティント(赤)
「大西洋の風が吹く、スパイシーな赤」
白と同じく、タガナン村の急斜面にある古い畑から造られる赤ワイン。リスタン・ネグロやネグラモルなどの土着品種を使用しています。
火山性土壌由来のスモーキーさと、冷涼な気候がもたらすフレッシュな酸。決して重くなく、どこまでもピュアでスパイシーな「大西洋の赤」です。

DATA / データ
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ワイナリー名: Envínate(エンビナーテ)
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創設年: 2005年(プロジェクト開始)
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メンバー: Roberto Santana, Alfonso Torrente, Laura Ramos, José Martínez
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本拠地: カナリア諸島(テネリフェ島)、リベイラ・サクラ、アルマンサなど
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主な産地(テネリフェ): タガナン(Anaga)、オロタバ(Orotava)、サンティアゴ・デル・テイデ
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栽培方法: ビオロジック(有機栽培)、一部ビオディナミ的なアプローチ。
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醸造スタイル: 野生酵母発酵、コンクリートタンクや古樽を使用、全房発酵(赤)、無濾過・無清澄。
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主な栽培品種: Listán Prieto, Listán Blanco, Negramoll, Tintilla 他多数の土着品種