カナリア諸島とは
カナリア諸島 ― ワイン産地としての魅力と歴史
カナリア諸島とはどのような場所か
スペイン本土から約1,000km、大西洋に浮かぶ7つの島々――それがカナリア諸島です。 地理的にはアフリカ大陸の西に位置しながらも、政治的にはスペイン領として発展してきました。
気候は年間を通じて温暖で乾燥し、「永遠の春」と称されます。 火山が生んだ黒い火山灰土壌、海から吹く貿易風、急峻な地形が、他に類を見ない独自のテロワールを形成しています。
カナリア諸島ワインの歴史と復権
かつて世界が注目したワイン産地
16〜18世紀、カナリア諸島のマルヴァジア(Malvasía)甘口ワインはヨーロッパの宮廷や貴族の間で愛され、 シェイクスピア作品に登場するほどの人気を誇っていました。
当時「カナリアワイン」と呼ばれたワインは、英国王室や上流階級の食卓を彩っていたと記録されています。
19世紀の衰退と眠り
輸送網の変化や経済環境の悪化によりワイン産業は縮小し、やがて地元中心のワインとして長い眠りにつきました。
そして今、再び世界が注目
21世紀、カナリア諸島は“新しい古典”として再びスポットライトを浴びています。
火山性土壌の豊かなミネラル、フィロキセラ未侵入の自根、固有品種、小規模生産者の丁寧な造り―― その唯一の組み合わせが、世界のワインラバーや一流ソムリエを惹きつけています。
なぜカナリア諸島のワインは特別なのか
1. フィロキセラの被害を受けなかった自根ブドウ
火山性土壌では害虫フィロキセラが生存できず、現在も接ぎ木していない原樹(自根)が残る、世界でも稀有な産地です。
2. 火山の土壌と海風が生む唯一の味わい
黒い火山灰土壌と大西洋の海風が、ミネラル・塩味・火打石の個性を生み出します。
3. 固有品種が多く、少量生産
Listán Blanco、Negramoll、Malvasía など島にしか残らなかった固有品種が多数。 生産量も少なく、日本では非常に希少です。
当店の想い
私たちは、この「再発見されたワインの楽園」の魅力を日本へ届けたいという想いで、この専門店を立ち上げました。
小規模生産・高品質、そしてストーリーを持つワインを厳選し、 カナリア諸島ワインの奥深い個性を日本の皆さまにご紹介しています。